明日香の家の打ち合わせで奈良に来ています。 来るたびに日本の歴史を紐解く旅が続きます。
今回は建築家村野藤吾にも影響を与えた大和棟を見たく、 今はもう数少ない大和地方に残るお屋敷を訪ねました。
5月だと言うのに、気温は31℃。 例年になく寒い北海道から来た身にはかなりこたえます。 泊まったビジネスホテルではすでにエアコンが稼働。
ところが、江戸時代前期に建てられたこのお屋敷は、一歩土間に踏み入れるとひんやりとした風が抜けます。
藁葺き屋根による断熱と、土間の三和土に含まれる水分の蒸散作用によって外の空気が冷えるのだと聞きました。
エアコンがないと寝られない生活と、それが不要な江戸時代の家。 どちらが懸命な暮らし方なのか考えさせられます。
今もお住まいのこのお屋敷は地元の有力な地主さんの家。 なんと家の周りにお濠が張り巡らされ、日本初といわれるサウナや、
集まりによって使い分けられる大きさの異なる10個の竃。
すでに築400年にもなる家なのに、創意工夫に溢れ、全然古臭さを感じさせませんでした。
昔の家はすごい。
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