見えない居心地

神社山の家

札幌

敷地裏には手付かずの森が迫り、建物は季節風と隣の団地から視線に晒される環境にあった。
リビングやダイニングでの活動は家の中で比較的静穏で外的影響を受けやすいため、そのまわりに動線や吹抜けを纏わせ、周囲の環境から距離を置いた。
季節風と視線を遮る外部階段は家へのエントランスアプローチであり、目透し張りの外壁によって外からの視線や季節風を遮り、冬はそれだけでも暖かく感じる。
この家は中心に徐々に近づくに連れ、より安定した環境へと至り、守られた環境の内から外部との接点を慎重に選び直している。
外皮の物的性能のみに頼りがちな北国の家に「奥行き」をもたらす試みである。