間接床暖房

2011.06.24

生まれ育った本州の古い家、冬は外気温と同じで夏はクーラーもない家によく暮らしていたものだと思い返すときがある。
東京は今より温暖ではないにせよ、ほんの数十年前の話しである。

 

冬場の寒さは高齢者にとっては致命にもなるうるので、「田園調布の家」では、高齢のお施主様のために1階全体を間接床暖房とした。
よく言う床暖房との違いは、仕上げの直下に既製のパネルを敷くのではなく、床下の土間そのものを暖めてしまう工法です。
新築でないとなかなか採用できない方法ですが、床下全体が温まるので床暖ほど直接的な痛い熱さではなく、床下全体が温まるので床暖の境目もありません。

 

北海道ではよく採用される工法ですが、本州だとそれを施工できる専門業者が少ないのが難点です。
またこの工法が有効に機能するには、温めた空気が逃げないような断熱と気密が欠かせず、さらに床下通気が一般的な本州の住宅では、白蟻と通気の対策をしないとなりません。

 

そこで今回は、事前にこうしたことを研究している旭川の北方建築総合研究所に助言をいただき設計に生かしました。