記録的な猛暑となった北海道。 環境の異変と日常の暮らしをどう両立していけばよいのでしょうか、否応なく考えさせられます。
今回は省エネのお話。
日本の家は元々西洋のような暖房(「房」(即ち家全体)を暖める)という発想はなく、雨風を凌ぐだけの、外と似た環境の家で冬は暖を採る(採暖)という方法で寒さに対処して来ました。
今でも1ヶ所だけの採暖で冬過ごしている家もあり、そうした家から断熱を強化した全館暖房の家へ移れば、居心地は隔世の感がありますが、エネルギー消費という面ではやはり増えてしまいます。
もちろん断熱を強化すればするほどエネルギー消費は抑えられますが、今度は建築コストが上がります。 では、どの当たりを目指すのが妥当なのでしょうか。
政府は住宅・建築物分野で2030年度には2013年度比でCO2排出量を40%削減することを目標としており、よくいわれる省エネ基準(H28年基準)はこれに適合するとされています。 この基準は近いうちに全ての新築住宅に義務化される見通しです。
北海道は元々断熱を先進的に取り入れて来たので、この基準は容易に達成でき、むしろ今は最低限の基準となりつつあります。
さらなる脱炭素化に向けて、省エネ基準よりさらに断熱の強化と設備の効率化(基準値より20%削減)を満たしたZEH(ゼッチ=ゼロエネルギー住宅)という基準があります。
これだけでエネルギー消費がゼロになるわけではないので、これはエネルギー消費を極力抑えた上で、消費する分は太陽光など再生自然エネルギーで相殺して実質ゼロを目指そうというものです。
これまでじゃぶじゃぶエネルギーを消費してきた生活を突然ゼロに出来るのかと思いますが、確かに雪国のように冬の日照が少なく、暖房エネルギーを大量に消費する地域では、その達成は容易ではありません。
ですが、少なくとも将来再生エネルギーを導入すればZEHを満たせるというところまで備えておくことが、今は大切なのではないかと感じています。
NEXT
PREV
Blog