「木のデザイン公募展」授賞式参加のついでに改めて旧軽井沢を散策してみることにした。 すでに秋は深まり吐く息は白く、朝露に濡れる木立の中を散歩しながら、「あぁ、帰るとちょうど北海道もこんなだなぁ」と妙な親近感が湧く。 と同時に、古い旧軽井沢の別荘地を歩いていると、森が非常に明るいことに気づく。 いわゆる魑魅魍魎たちが棲まう鬱蒼とした鎮守の森とは様相が異なり、地面は拓け地表にまで日光が達している。これが人間の管理によるものなのか、水捌けのよい乾燥した気候のせいなのかは定かではなかったが、植生が近い北海道の森を思い起こさせ、少なくともこうした土地柄の価値を最初に見出したのが日本人ではなかったことが興味深い。 建てられている別荘の自然との接し方、建物のまわりの扱いを眺めていると、明らかに日本の、というよりはどこか西洋的である。北海道と似た風土でこのような建ち振る舞いは何か大きなヒントがあるような気がしてならない。
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