マンションのリフォームは大抵購入前に終わり、実際に住んでみないと問題は見えてこないことが多いのが実情です。
我が家は築30年のコンクリート造の1階にあり、三面が外に面し戸建てのような感覚で住めるのが気に入っていますが、地下は駐車場で三面が外気にさらされているという熱的には不利な環境にあります。 これ以上格好な題材はないと、住み始めてから勉強かねがね不具合をみつけてはもっぱら自分で直しています。 今回の改修はその3回目。
これだけの築年数のマンションでまずやらなければならないのが、断熱の改修。 壁を剥がしてみると断熱材は現在の省エネ基準の半分以下。 これでは寒く結露するのは当たり前で、光熱費も馬鹿になりません。
この部屋の環境を改善するべく、壁に付加断熱を施すことにしました。 文字通り壁を「ふかす」ので部屋は一回り狭くなりますが、ここは居心地優先です。 また、壁をふかすには一度すべての壁を撤去し、窓枠も取り替えなければなりません。 せっかく壁の断熱を改修しても、窓が30年前のままでは意味ないので、窓も最新の断熱樹脂サッシに替えました。 というのも、窓は家の中で最も熱が逃げ、ここ数十年でガラスの性能は飛躍的に向上したからです。 サッシはすでに替えて付加断熱する前後を、INDI㈱の協力を得てサーモカメラで記録したのがこちらの写真。こちらは一番結露の問題となっている南西角のサッシ部。 外にバルコニーが繋がり、そこが最も冷やされているのがわかります。 施工前後で温度域を合わせた写真ですが、結果は歴然。施工後は壁から離れていても変化がわかるほどでした。 ちなみに測定時おける室内の温度は双方とも17℃前後で、この違いは暖房による違いではありません。
注目していただきたいのは床。床は今回何もしていないのにも関わらず、改善が見られます。 これは、それまで壁から外に逃げていた熱が抑えられることによって、床の熱が外に引っ張られる影響が減ったためです。
その他、サッシとは反対側の壁のところ、どこのマンションでも結露で問題になる、物置内も断熱改修しました。 アトリエモノゴトでは、短期間で終わり、ほとんど見る機会のないマンション改修の工事途中を、リフォームなどをご検討している方に特別に公開しています。 見学ご希望の方は、こちらの問い合わせから。
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