年始めのご挨拶をしようしようと思って、 ついでにこの記事を書こうと逡巡しておりましたら、月末になってしまいました。
今回は、家の暖かさの質について。 よく、「断熱の優れた家は、夏涼しく冬は暖かい」と謳われていますが、 そもそも、それによって居心地はどのくらい変化するのでしょうか?
例えば、築40年ほどの旧省エネ基準(省エネ等級2)の家に住んでいるとします。 このときの断熱基準で、札幌を例に、室温21℃、外気温-9℃のときに、室内側の窓と壁の表面温度を計算してみると、 窓(アルミサッシ(単板ガラス)+内側木製(単板ガラス)):11.3℃ 壁(熱抵抗値2.1㎡K/ W):19.4℃
これを来年4月に新築時に適合が義務化される省エネ基準(省エネ等級4)にリフォームしてみると、 窓(アルミサッシ(単板ガラス)+内側樹脂(複層ガラス)):13.3℃ 壁(熱抵抗値3.3㎡K/ W):20.0℃
これを見ると改善されてはいるものの、やはり窓の表面温度がかなり低いですね。 でも、各表面温度にあまり差がないから大して居心地に差がないと思われるかもしれません。 しかし、これは室温を21℃にずっと維持しても、壁やガラスの表面は、常にそれより温度が低いことを意味しています。室内から常時熱が漏れている状態で、室温を維持する光熱費も大変ですが、室内側と外壁側の温度差は対流を生み、冷気がたえず降りてきて寒く感じるわけです。
この室内に望まない温度差があることが、誰しも古い家で体験したことのある、底冷えの原因となっており、断熱を良くする意味は、この室内温度差を減らすことなのです。これを見てわかる通り、北海道では、省エネ等級4の断熱基準では十分とは言えません。
昨今、アトリエモノゴトでは、新設された省エネ等級6あたりを設計のひとつの目安としており、実際、省エネ等級4程度の「アトリエ」と等級6程度の「Salon de Monogoto」の環境を比べてみて、やはり暖かさの質の違いを実感しております。
PS.写真は、昨年お知り合いになったお花屋さんに、念願のお正月飾りを作ってもらいました。
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