山の手の家

市街を見下ろす傾斜地に建つ専用住宅で土地探しからご一緒させていただいた。
敷地は北向きに半階分ほど下るので、市街地を見下ろす北側を3階建てとし南側の2階建てとの間をスキップフロアとして繋いだ。北側には下から主寝室、子供部屋、食堂・台所と重ね、スキップフロアによって半階高くなった天井の南側の2階は反対側の山を望む居間とした。60cmほどの高低差ができた食堂と居間の間には屋根のかかった屋外テラスを挟み、ご要望であった居間と食堂の間に適度な距離を取った。居間の延長にある屋外テラスは台所から目の届くところで子供の遊び場として、また季節の折にジンギスカンを楽しめるよう煙突を設けており、テラスの中心に雨や雪が降るのも室内に居ながら自然を感じる仕掛けである。中2階にある子供部屋へは、一度居間を経由してから半階下りるよう階段が重層しており、個室として独立していないが、どの部屋も階段によって適度な距離感が保たれ、3階建てながらどこにいても家族の気配を感じられるようになっている。