富良野市郊外に建つ農業生産法人の寄宿舎である「FRNF」は、 近くの沢を流れる水を農作物の栽培に利用していた。 この水圧が高いことを利用して屋根上に散水することにより、夏、気温が高く湿度の低い北海道内陸の気候特性を利用して蒸散による冷却効果を狙った。建物は降水や雪融け水を効率よく分散して土地に還すために、指を組んだような形態となった。
この地域では生活用水もこの沢の水を利用しており、水は地下ピットの濾過システムを経由し、排水は浄化槽を経由して再び自然に還る。 上下水道のない地域での新しい試みであったが、水がどこから来て、どこに還るのか見ることのない都市生活に較べ、自己完結したシステムは非常に明快で心地よささえ感じた。
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