世の中はZEH(ゼッチ)に向けて邁進していますが、 北海道の家で、エネルギー収支をゼロにするのは果たして現実的なのか。 「二七の桐の家」に太陽光パネルを3kW載せて検証しています。
今回、一年間の成果をご報告します。少し数字が多く出ますが、ご辛抱ください。
まず、この家の断熱性能はUA値0.29W/㎡Kと、国が定めたZEH基準0.40W/㎡Kより大幅に性能がよく、最近新設された等級6の0.28W/㎡Kに近い性能です。 この家を毎日普通に使ったとして、一年間で消費するであろうエネルギー*は、計算上139.7GJでした。
実際は、週末住居ですので2022.4月〜2023.3月までの一年間で消費したエネルギーは、電気・灯油・ガス合わせて37.6GJ。この間の太陽光パネルの発電量は、27.8GJでしたので、27.8/37.6=約73.9%は自然エネルギーで賄えたことになります。
そして、平日を合わせた一年間で消費したエネルギーは、104.3GJと計算よりはずっとエネルギー消費が少なく、27.8/104.3=約26.6%は自然エネルギーで賄えた計算になります。 当初、週末ぐらいは自然エネルギーで生活したいという意味で、「二七」と名付けましたが、2/7=28.5%まであと少しというところでしょうか。
よく、北海道の住宅を本当にゼロエネルギーにするには、10kWの太陽光パネルがいると言いますが、確かに10kWで、今回の発電量の3.3倍=27.8×3.3=91.7GJですから、あながち嘘ではなさそうです。
でも、化石燃料で作ったエネルギーを送られて来て、これを自己負担で相殺って何か腑に落ちません・・・ エネルギー収支の先に本当に豊かな家があるならいいのですが。
ちなみに、いくら発電しても誰かがそれを利用して化石燃料の使用量が減らないと、何のためにやっているのかという話しになります。。
*ここでのエネルギー消費とは、家で賄う暖房・換気・給湯・照明などの電気を、ジュール[J]という同じ単位で換算したものです。
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