朝、家族を送り出すと、大体1時間ぐらい家事をします。 通勤がない分、仕事モードに切り替わる儀式のようなものです。
よく料理のお話をするのも、料理をしていると、家づくりに通じるものがあるからです。 それは、モノゴトには手順というものがあり、どのような結末になるかは、やってみないとわからないということです。 裏を返せば、やればやるほど、感覚と実態が近づいて来るのです。家づくりをするお施主さんは、家というモノが欲しいのではなく、そこで安心して過ごす時間、充実した空気感を求めることがほとんどです。 素材ひとつひとつを分けて欲しいのではなく、出来上がるときの一体感・住み心地。 ありきたりや出来合いのものではなく、頭の中にあるぼんやりとした理想像。 それが見えないからこそ、それを描き出せるプロを探すのだと思います。
それを紡ぎ出すには経験と、お施主さんとの感覚の共有が欠かせません。 お施主さんが何を望んでいるのか、それはどんな雰囲気なのか。 それはひとそれぞれ異なるからです。
暗中模索から始まり、年単位のお付き合いの中で、それらが徐々に晴れ渡っていき、あるときお施主さんの家が見えてくるときがあります。 そこから、ようやく家づくりがスタートするのです。
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