模型制作

例によって計画案が定まった時点で工事前に1/30の模型を作ります。
この模型を作って確かめる作業には、いくつか大切な意味があります。

ひとつは、図面だけではなかなか伝わらない空間全体の関係性をクライアントに確認していただくためであり、
もうひとつは、1/30ぐらいのスケールになると内部を覗き込むことができるため、窓から入る自然光によって、どのような雰囲気の空間ができあがるか、設計者自らイメージとの整合性を確認するためです。
さらに、模型であっても実際に作ることによって、工事前に気をつけなければならない箇所に気付くことができ、現場とその箇所が事前に共有できるので、ミスが減ります。

この実態のある確認作業が、いくらCGがリアルに再現できても敵わないのです。
特に、この家では、階段の踊り場が居間に当たり、そこから4方へ階段が伸びるため、模型で実際に見ることが空間を把握する上では重要でした。

模型を眺めてさらに仕上げや納まりを調整し、いよいよ工事が始まります。

「踊り場の家」