我儘

先日、四半世紀ぶりに会社時代の同期に会いました。
そこで出た話しで、「人間は人工的な環境に居れば居るほど、我儘になる」という言葉に、なるほど、そんな言い回しもあるものだなと感心した次第です。
つまり、どうにもならないことと弁えている環境下では、暑さ寒さに対して人間はある程度寛容であるが、制御できると知った環境下では、ほんの少しの不快も人間は我慢しなくなるということを意味していました。換言すれば、人間は思い通りにならない場合、創意工夫して僅かな変化にも喜びを見出すものだが、思い通りになるとわかった瞬間、何も考えなくなる、ということでしょうか。
ちょうど読んでいた幸田露伴の本にも、似たようなことが書いてありました。
「人類は自意識が旺盛であるから、自己の行動はすべて自己がこれを為すように感じて居て、自然がこれを為さしめて居るところがあるように感ぜぬのが常である。・・・自意識の旺盛なるままに、自然が我に加うる所以のものが存することを忘れて居るのは、観察の智が不円満であるとせねばならぬ。」
お互い歳は取りましたが、話す内容もそれなりに成長していることを実感した瞬間でした。